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作者:松尾 からすけ

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作:松尾 からすけ

最弱魔王と最強勇者のひ・め・ご・と!

 むかーしむかし、この世界にはたくさんの人族が住んでいました。少数ですが魔族も住んでいました。  大きな力を持つ魔族は脆弱な人族を見下し、彼らに恐れを抱いていた人族は身を寄せあって静かに生きていました。しかし、我慢には必ず限界が来るものです。その確執はやがて戦いの火種へと変わっていきました。  ピクニックへいくかのような軽い足取りで魔族達は戦場へと向かっていきます。彼らは弱い人族に負けるなど、微塵も思っていませんでした。しかし、強者ゆえの油断と圧倒的な物量差により、魔族達は人族にまさかの敗北を喫してしまうのです。それにより彼らは息を潜めて生活する事を余儀なくされました。  それから、長い間人族が世界を支配する時代が訪れます。立場は逆転。魔族達は日の当たらない世界でひっそりと暮らす事しか出来ませんでした。  しかし、突出した力を持つ魔族が現れ、状況は一変しました。彼の者自らを『魔王』と称し、周辺の魔族を束ね、人族に戦争をしかけました。  混迷を極める戦い。十二に分断される人族の国。戦いが長引くうちに、『魔王』を名乗る魔族が次々と現れ、彼らが各々自分の領土を主張し始めたのです。  世はまさに群雄割拠の時代。  古い魔王は淘汰され、新しい魔王がその牙を振りかざす。  その者達を倒さんがために、人族から勇者と呼ばれる希望が生まれる。  勇者と魔王が激しい戦いを繰り広げる世界。  今もなお、争いの絶えない世界。  そんな世界に一人の魔王と一人の勇者がいました。  彼は他の者より『最弱の魔王』と嘲られ、彼女は他の者より『最強の勇者』と持て囃されました。  立場も評価も正反対な二人。  表と裏、光と影……男と女。  そんな二人にはある秘め事があったのでした。

更新:2022/2/1

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作:松尾 からすけ

イケメンなあいつの陰に隠れ続けた俺が本当の幸せを掴み取るまで

【第四回カクヨムWEB小説コンテスト 異世界ファンタジー部門特別賞をいただきました!本当にありがとうございます!!】  俺は物語の主人公にはなり得ない。  なんたって、俺の隣には完全無欠の主人公様がいるんだからな。  どんな奴でも振り返ってしまうような金髪のイケメンフェイス。高身長で長い足。男にも女にも好かれるような明朗快活な性格。おまけに頭脳明晰で、魔法も剣技も超一流とくれば言うことねぇな。  ちなみに俺はというと、中肉中背の黒髪フツメン。特技はあるけど特徴なし。卒アル見たときに「あー……なんかこういう奴もいたな」ってレベルの存在感。圧倒的な格差社会を感じる。くそが。  神様ってのはもっと平等であるべきだと思うんだ、うん。  そんな脇役人生を脱却しようと、クラスのマドンナに告白してみても撃沈。彼女どころか友達すらできない始末。その上、バカ主人公には振り回されっぱなし。  だが、俺は諦めねぇぞ!いつかはあいつの呪縛から解き放たれて、輝かしい未来を掴んでや……って、なぜか魔王軍に入ることになったんですが?破滅の未来しか見えないんですが?ってか、魔族の世界でもぼっちなんですがぁぁぁ!?  誰か俺を救ってくれぇぇぇぇ!! ※※※※※※  小説家になろう様でも投稿させていただいております!

更新:2020/1/1

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作:松尾 からすけ

異能力者しかいない学校だけど、俺は元気に生きていきます

 大小様々なビルが立ち並び、都会の喧騒が昼夜問わず鳴り響いている街、東都。この国の中心都市であり、人も物も、嫌になるくらいにこの街には溢れかえっていた。  そんな東都の中央に鎮座する建物。何の知識も持たない者が見れば、決して学び舎とは思わないだろう。それほどまでに荘厳で、どこか神々しさすら感じられる。  それもそのはず、この学校は普通の学校ではない。否、正確には普通の者が入る学校ではない。ここに入学するのは国から選ばれた者達だけである。  彼の者達の名はギフテッド。"ギフト"を授かりし存在。  そして、ここは国立皇聖学院高等学校。ギフテッドのみが通う事を許された聖域。  "ギフト"……それは異能の力。  ある時は神の御業と崇め奉られるほどに奇跡的であり、またある時は悪魔の所業と恐れ慄かれるほどに破壊的である。  おい。  使い手によって希望にも絶望にもなり得る神秘の力、"ギフト"を持ったギフテッドの卵達が集うこの学校に、氷室颯もまた足を踏み入れようとしていた。  ちょっと待て。  この物語は人間関係や社会のしがらみにもがき苦しみながらも、懸命に成長していく彼の姿を綴った……。  だから、何それっぽい語り口調で勝手に話を始めようとしてんだ、こら。  人間関係? 社会のしがらみ? ノンノン、もっと違うことで俺は苦しんでるんだよ。格差格差。能力格差がひどすぎるだろこんなもん。"ギフト"ガチャに敗北した俺はどうやってこんな化け物揃いの学校で生き抜いていけばいいんだっつーの。  神様さぁ……せっかく"ギフト"をくれるんなら、もっと使いやすい能力でもよかったんじゃないか? もしかして俺の事嫌いだったりする? あれか? ガキの頃に神社で立ちションした事怒ってんの? いやぁ、善悪の区別がつかない子供の可愛らしい悪戯やーん。宇宙の様に広い心を持ってる神様なら許してくれてもええやーん。……だめ? 許さない? しょぼーん。  ……というわけで、これは使えなさそうで案外使える、でもやっぱり使いにくい"ギフト"を授った俺が、いろんな奴らに振り回される物語だ。可哀想な俺。もっと同情してくれ。  強力無比だが扱いにく過ぎる俺の"ギフト"……そいつが知りたきゃ、須らく読むべし!

更新:2021/1/31

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